ずいぶん長いこと、浜辺から眺めるあの丸い水平線は、遠い地球の果てだと思い込んでいた。だが船舶免許をとるために航海術を習ったとき、水平線までの距離は、たった5キロほどにすぎないと知ってガッカリした。
なんでも人間の背の高さと地球の大きさから計算すると、地球の丸みに隠れて、それより遠くの海面は見えないものなんだそうだ。
人はつい自分の経験や感覚を過大評価しがちだ。水平線を眺めて壮大な感動にひたるのもいいが、たまには地球や人間の大きさをチマチマ計算して、その現実にガッカリするのも悪くないのかもしれない。