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高橋克也イラストレーションファイル
[ENG]
玄関を出たら頭の上にぽかんと飛行船が浮いていた。春嵐が木々の葉を散らすなか、近所の子供たちが空を仰いで騒いでいる。 ずいぶんバカっぽい乗り物だ。なにしろデカすぎるし、遅すぎるし、不便すぎる。だいいち見た目がひどくマヌケだ。 でも、もし何かの運転手になるなら飛行船がいい。毎日ぽかんと空に浮かぶ。ときどき舵を切って好きなところに飛んで行く。朝のうちに浮き上がったら、昼飯は空中で食べ、日が暮れるまで地面になんか帰らない。これで墜落さえしなければ、そこそこ長生きできそうな素晴らしい生活だ。
2005.05.09