子供の頃は、雷が来るといちばんに家の窓につかまって近所の高圧鉄塔を眺めた。運がよければ、豪雨にけむる鉄塔が落雷でビカビカ光るかっこいいシーンが見られたからだ。今では、雷が来るといちばんにパソコンの電源コードを抜く。万一、落雷でパソコンが吹っ飛ぶと、たちまち生活に困るからだ。
稲妻という名は、もとは稲の夫(つま)という意味だったそうだ。古くから、稲は稲妻を受けて実ると信じられていたため、そう呼ばれるようになった。稲を身ごもらせていた昔の雷は、高圧鉄塔やパソコンばかり狙っている現代の雷に較べると、いくらかロマンチストだったのかもしれない。