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迷子の夕暮れ

 青年時代は金がないくせによく旅行をした。いちばんよく使った宿泊施設は、無料で泊まれる「道ばた」だ。公園や廃線の駅、神社の境内、橋の下などにもぐり込んで寝る。
 眠りにつくのは、深夜、人通りが途絶えてからだが、暗くなってからだと場所探しが難しいから、日暮れまでには寝床を見つけなくてはならない。そのせいか、今でも旅先で日が暮れかかると、なんとなく気が急いて心細くなるクセがついた。

 夕暮れは一日の終わりを告げる色だ。もしかしたら一生の終わりにも、こんな色がみえるのだろうか。そのとき、なんとなく気が急いて心細くなってなければいいんだが。

2008.08.10

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