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空に続く岬

 雲間から陽がさすと、ふだん神様のことなんか考えない僕でも、どこかに神様がいるような気がすることがある。もちろん現実には雲の上にだって神様なんかいやしない。そこにはジェット機や人工衛星が飛び、ときおり宇宙から塵くずが飛んでくる不毛な空間が広がっているだけだ。

 それでもひょっとしたら神様くらいいるかもしれないと思う。それでつい、空のほかにはどこにも通じていない石段を登りつめ、望遠鏡を覗いて水平線に目を凝らす。人間は、何もないとわかっていても、そこにまだ何かを探そうとする生き物なのかもしれない。

2005.05.23

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