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祈りの丘

「A Thousand Winds」という詩がある。欧米の慰霊祭などでよく歌われ、「千の風になって」の邦題でも知られている。邦訳にも原文にも多くの版があるが、おおまかに訳すとこんな感じだ。
お墓の前で泣かないで/私はそこに眠ってはいない/私は千の風となってそよぎ/粉雪となり、雨となって/ゆたかに麦穂をみのらせる/朝のかがやきに、飛びかう小鳥のさえずりに/夜空の星に、静かな部屋の片隅に/私はいつもあなたとともにある/だからお墓の前で泣かないで/私は帰らぬ人ではないのです
科学万能のこの時代に、霊魂なんてややこしいものがそこらにフワフワしているはずはない。人は死ねば消えてなくなり、無味乾燥な塵芥と化す。だが遺された者たちは、胸に残る思慕と友愛に霊魂という名を与えて抱き続ける。科学の時代に、なお霊魂が存在するゆえんである。
2006.09.26
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