top of page

白鳥ボートの日

 東京と京都をちょくちょく往復してるから、よく信州・諏訪湖のほとりを通る。
 初めて諏訪湖を間近に見たのは18歳の冬だった。小さなバイクで野宿旅をしていて豪雪で立ち往生し、湖畔の安宿に転がり込んだ。湖面はその日、真っ白に全面結氷していた。
 そのせいで、どんなにうららかな春の日でも、陽光がまぶしい真夏でも、諏訪湖を通るたび、いちばんにあの厳寒の白い湖面を思い出す。

 風景にかぎらず、人でも物でも出来事でも、青年時代の出会いは、その後いつまでも胸に残る。どうせ残るなら、全部いい出会いだといいんだが、そうとばかりはいかないところが残念だ。

2009.05.05

bottom of page