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熱帯夜のリキュール

 酒びんを描くことはあるが、酒を飲むことはめったにない。もともとアルコールの味やにおいがあまり好きじゃないし、飲んで眠くなったり気がゆるんだり判断力がにぶったりするのもいやだ。運転ができず行動を制限されるのも気にくわない。

 幼い頃に住んでいた家の一室には、父が洋酒のびんを並べた棚があった。てっきり彼が飲む酒だと思っていたが、じつはただ飾ってあるだけだったと後から聞いた。
 どうやら父は下戸だったらしい。中身よりも酒のびんが好きだったのだろう。僕がびんを好んで描くくせにちっとも飲まないのは、この父に似たのかもしれない。

2006.08.17

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