top of page
星が降る屋根

子供の頃に買ってもらった天体望遠鏡は安物の屈折式だった。いかめしい木製の三脚に立派な鏡筒が載っていたが、見かけのわりに性能はたいしたことがなく、かろうじて月面が見える程度だった。それでも晴れた夜には、よくそれでクレーターを覗いた。
月を見るのに飽きた頃、土星を覗いてみることにした。だが、かんじんの輪は見えなかった。望遠鏡の性能が足りなかったのかもしれないし、ちょうど輪が見えにくい時期だったのかもしれない。
天体望遠鏡はもう棄ててしまったし、月もすっかり見飽きたが、今でも夜空に浮かぶ丸い月をみると「今夜は月面観測びよりだ」と思う。そして土星の輪が見える望遠鏡が欲しくなる。
2006.10.11
bottom of page








