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夜景公園

 ある雑誌に、関西ローカルのB級刑事ドラマの記事を書いたことがある。資料のビデオを見て呆れた。死ぬほどつまらない番組だったからだ。ドラマは凡庸陳腐で見るべきところなど何もない。だがオープニング映像に目をみはった。
 それは夜の大阪を空撮で俯瞰したフィルムだった。ゴミ溜めだ、痰壺だ、やくざだ、吉本だ、でんがなまんがなの下品な街だと悪評紛々たる大阪の街が、夜にはまるで凍った宝石のように美しく輝いていた。

 見ようと努める者にしか見えないものがあり、闇にしか照らされないものがある。暗がりに目を凝らさなければ、世界の半分は見えなくなってしまう。そう知ってはいても、まさかB級刑事ドラマから学ぶことがあるとまでは思わなかった。

2005.10.08

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